2023年3月

本のこと

答えじゃなくて…

『スター』(朝井リョウ著)  若い作者なのに、随分説教臭いな。朝井リョウさんの『スター』(朝日新聞出版、2020年10月)の感想だ。『正欲』で追求した多様性の在り方、承認欲求をより身近な題材を用いて描いている。  新人の […]

本のこと

同時代作家

『われらの時代』(大江健三郎著)  「快楽の動作をつづけながら形而上学について考えること、精神の機能に熱中すること、それは決して下等なたのしみではないだろう。(中略)南靖男は、かれの若わかしい筋肉となめらかな皮膚のすべて […]

本のこと

「復興」の現実

『荒れ地の家族』(佐藤厚志著)  東日本大震災から間もなく12年。3月11日を前に佐藤厚志さんの第168回芥川賞受賞作『荒れ地の家族』(新潮社、2023年1月)を読んだ。震災の人的被害は、同年3月1日時点で死者1万590 […]

本のこと

作家のブラックボックス

『明日は、いずこの空の下』(上橋菜穂子著)  本はほとんど図書館で借りている。常に上限いっぱいに予約を入れている。人気があったり所蔵数が少なかったりする本ばかり予約していると、なかなか順番が回ってこない。手元に読む本がな […]