本のこと

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未知の世界を実況報告

『91歳、ヨタヘロ快走中』(樋口恵子著)  報道の大先輩でもある評論家、樋口恵子さんによる「老い」の実況報告が楽しみだ。『91歳、ヨタヘロ快走中』(2024年3月、婦人之友社)はシリーズ最新作。介護保険制度の創設に奔走し […]

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マルチな手練れ

『スモールワールズ』(一穂ミチ著)  これまで読んだ、パンデミックを題材にした小説のなかで最も面白かった。巧いのだ。直木賞を受賞した一穂ミチさんの『ツンデミック』(光文社、2023年11月)である。こんな力のある人がまだ […]

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ありがたい復刻版

『ぼくの航海日誌』(田村隆一著)  昨年12月、図書館の書架で偶然、田村隆一さんの『ぼくの航海日誌』(中央公論、1991年11月)という本を見つけた。田村さんは記者に詩の魅力を教えてくれた。以前、夢中になり著作を読み漁っ […]

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ブルーオーシャン?

『また団地のふたり』  前作同様、また、何も起きない。幼馴染の50代女性2人の緩い日常が描かれる。藤野千夜さん著『また団地のふたり』(2024年10月、U-NEXT)である。浅田次郎さんは最新のエッセイ集『アジフライの正 […]

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読んだそばから忘れる本

『池袋ウエストゲートパークⅩⅩ 男女最終戦争』(石田衣良著)  読んだそばから忘れていく。だからといってもう読むのを止めようとは思わない。読み始めると、途中で止めることができないほど夢中になってしまう。毎年秋に刊行される […]

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近未来の選択肢

『団地のふたり』(藤野千夜著)  藤野千夜さん著『団地のふたり』(2022年3月発行、U-NEXT)の設定である築60年より、少し後に建てられた団地に実家がある。転勤続きで社宅住まいが長かった両親が定年を機に購入したもの […]

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ニュースの力

『PERIL危機』(ボブ・ウッドワード著)  いつかはあんな本を書いてみたいと思って記者になった。足元にも及ばず終わりそうである。米ワシントン・ポスト紙ボブ・ウッドワードさんの『PERIL 危機』(日経BP)を読んだ。4 […]

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昆虫記だけ読みたい

『バッタを倒すぜアフリカで』(前野ウルド浩太郎著)  前野ウルド浩太郎さんの前著『バッタを倒しにアフリカへ』を読んで、本格的な昆虫記を読みたいと続編に期待した。前著は昆虫記だと思って手に取ったら、ポスドクの就職活動がメイ […]

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魅力は行動力

『成瀬は信じた道をいく』(宮島未奈著)  2024年本屋大賞受賞作、宮島未奈さん著『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社、2023年3月)と続編『成瀬は信じた道をいく』(同、24年1月)を読んだ。滋賀県大津市への地元愛に富み […]

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鏡を見る

『傲慢と善良』(辻村深月)  婚約者が忽然と姿を消した。宮部みゆきさんの『火車』のようなミステリーかと思った。装丁もミステリーを思わせる。辻村深月さん著『傲慢と善良』(2019年3月、朝日新聞出版)だ。実際、全体の3分の […]