2023年12月

日々のこと

木漏れ日と雲

映画『PERFECT DAYS』(監督=ヴィム・ヴェンダース)  ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司さん主演の映画『PERFECT DAYS』を観た。スカイツリーを見上げる下町のアパートで一人暮らしをする公衆トイレ清掃員 […]

本のこと

自死のリアリティ

『蜩ノ記』(葉室麟著)  ここかしこに散りばめられた地雷、がんじがらめの人間関係。遍在する切腹の機会。幾つ命があっても足りない。武士は大変だ。それが、葉室麟さん著『蜩ノ記』(2011年10月、祥伝社)を読み始めての感想だ […]

本のこと

浄化の受け皿

『リスペクト』(ブレイディみかこ著)  ブレイディみかこさんの『リスペクト』(筑摩書房、2023年8月)を読んだ。ロンドン五輪後の2014年、同市が行ったソーシャル・クレンジング(地域社会の浄化)で住居を失ったシングルマ […]

本のこと

死の風景

『夜明けを待つ』(佐々涼子著)  黒々とした厚い雲の隙間からわずかにのぞく太陽が空に光のグラデーションをつくる。夜明けを待つ―。自分の死と向き合うとはそんな気持ちなのだろうか。表紙の写真のような心象風景が広がるのだろうか […]

本のこと

男って…

『ファーストラヴ』(島本理生著)  父親を殺害した女子大生と、その動機や真相に迫ろうとする臨床心理士。本の紹介文を読めば、性的虐待がテーマの心理ミステリーだろう想像がつく。が、読者の想像を超えないと小説として成立しない。 […]