本のこと

TO DO、もう一つの効果

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『19歳までに手に入れる7つの武器』(樺沢紫苑著)

 最近見つけた精神科医のユーチューブ動画がとても元気になれるので1冊著書を読んでみた。樺沢紫苑さん著『19歳までに手に入れる7つの武器』(幻冬舎、2024年6月)である。精神科医の著書や動画は、うつ病や適応障害など疾患の説明に終始するものが多い中、樺沢さんはストレスをため込まずメンタルの健康を保つ方法を精神医学や脳科学の観点から分かりやすく説明してくれる。

 たとえば、朝の不調については「セロトニンの分泌が少ない朝辛いのは当たり前。私もそうです」と不安を抱える視聴者、読者を安心させ、「睡眠、運動、朝散歩」と誰でもできる心身の整え方とその重要さを教えてくれる。セロトニンとは、精神を安定させる3大幸福ホルモンの一つ、日光を浴びると分泌されるそうだ。


 本書では「悩みを一瞬で消す方法」が目を惹く。悩み解消のためにやるべきTO DOを明確にし、やれることを一つずつこなす。「それはもはや悩みではなく、改善、進歩、進化、自己成長です」。できないことをあれこれ考えても意味がない。暇な人ほどネガティブ思考を繰り返し、精神疾患を患いやすいともいう。いずれも当たり前なのだが、科学に基づいた対処法だと思うと説得力がある。実際、毎朝TO DOリストをつくりそれをこなしていくと、ぐるぐる思考から抜け出せた。リスト作成の一般的なメリットである仕事の効率化以上の効果がある。

 動画はユーチューブで見られる。メンタル疾患の予防にお勧めである。(2025.02.11 No.155)

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