『百舌落とし』(逢坂剛著) 学生時代に『カディスの赤い星』など著者のスペインものをむさぼるように読んだ。「逢坂剛さんと言えばスペインだ」と勝手に決め付け、著者の他の作品は受け付けなかった。そんな意固地なゼロヒャク思考も […]
本のこと
圧倒
『透析を止めた日』(堀川惠子著) これまでの著書を読んで、ライターとしての堀川惠子さんを尊敬していた。だが、理解が浅かった。ライターとしての矜持、覚悟、他者への心遣い…。『透析を止めた日』(2024年11月、講談社)の […]
未読の幸運
『ギャルトン事件』(ロス・マクドナルド著) ミステリーツアーの2巡目である。1巡目で気に入った作家の別の本を読み始めた。20年前に失踪した名家の息子を捜す探偵リュー・アーチャー。ロス・マクドナルド著『ギャルトン事件』( […]
俺だ
『コンビニ人間』(村田沙耶香著) 村田沙耶香さん著『コンビニ人間』(文藝春秋、2016年7月)の主人公の古倉さんは俺だ、と思った。死んでいる野鳥を焼き鳥にして食べようとは思わない。スコップで頭を殴ってけんかの仲裁をした […]
光食主義者?
『菜食主義者』(ハン・ガン著) 2024年ノーベル文学賞作家、韓国のハン・ガンさんの『菜食主義者』(2011年4月、クオン)を読んだ。ごく平凡な女性ヨンヘが奇妙な夢を見てから、肉を食べられなくなり病的にやせ細っていく。 […]
戦後80年は終わらない
『ミス・サンシャイン』(吉田修一著) 吉田修一さんの『国宝』を読んだ流れで、たまたま手に取ったのが同じ著者のこの本『ミス・サンシャイン』(文藝春秋、2022年1月)だった。以前にも書いたが、芥川賞受賞作に馴染めず、半ば […]
告発の彼方
『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』(堀川惠子著) 戦後80年。『暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』『原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年』とジャーナリスト、堀川惠子さんの著書を読み始め、堀川さんが戦争と並ぶもう一 […]
アンチ・コンプラ
『国宝』(吉田修一著) 映画を家族全員が観た。「観ておいた方がいい」と勧められた。一瞬も目を離すことなく3時間楽しめた。いつもは原作を読んでから映像化された作品を観ることにしているのだが、今回は例外となった。歌舞伎をテ […]
不自由を描く
『BUTTER』(柚木麻子著) 英国で賞をとったことで再評価された1冊だ。柚木麻子さん著『BUTTER』(2017年4月、新潮社)である。交際男性3人から財産を奪い殺害した疑いで逮捕、起訴された女性を取材する週刊誌の女 […]
フィクションの可能性
『藍を継ぐ海』(伊与原新著) 盛夏のこの時期になると、取り出す本がある。広島原爆を記録した原民喜著『夏の花』、大江健三郎著『ヒロシマノート』。日航機墜落事故をモチーフにした横山秀夫著『クライマーズハイ』。終戦の日を再現 […]







