本のこと

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散歩の極意

『京都ものがたりの道』(彬子女王)  〈五感を使いながら歩いていると…〉。三笠宮家の彬子女王さまによる京都ガイド『京都ものがたりの道』(2024年7月、毎日新聞出版)にはこうある。五感を使う。まさに散歩の極意である。レイ […]

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読む発掘屋

『散るぞ悲しき 硫黄島総指揮官・栗林忠道』(梯久美子著)  先日、職場近くの日比谷図書館で行われたノンフィクション作家、梯久美子さんの講演「いつだって『読む』から始まった―私が“書く人”になるまで」を聴講した。好きな作家 […]

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アート=季語

『モダン』(原田マハ著)  原田マハさん著『モダン』(2015年4月、文藝春秋)は、モダンアートをテーマにした短編集だ。原田さんのアート小説は目の前に風景が広がる。日常とは異なる別世界にすぐに入り込めるのがいい。本書は、 […]

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実用書兼日記文学

『介護未満の父に起きたこと』(ジェーン・スー著)  深刻にならないように、ユーモラスに書いてあるのだが、全く笑えない。ジェーン・スーさん著『介護未満の父に起きたこと』(2025年8月、新潮新書)である。スーさんのお父様の […]

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That’s Entertainment !

『百舌落とし』(逢坂剛著)  学生時代に『カディスの赤い星』など著者のスペインものをむさぼるように読んだ。「逢坂剛さんと言えばスペインだ」と勝手に決め付け、著者の他の作品は受け付けなかった。そんな意固地なゼロヒャク思考も […]

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圧倒

『透析を止めた日』(堀川惠子著)  これまでの著書を読んで、ライターとしての堀川惠子さんを尊敬していた。だが、理解が浅かった。ライターとしての矜持、覚悟、他者への心遣い…。『透析を止めた日』(2024年11月、講談社)の […]

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未読の幸運

『ギャルトン事件』(ロス・マクドナルド著)  ミステリーツアーの2巡目である。1巡目で気に入った作家の別の本を読み始めた。20年前に失踪した名家の息子を捜す探偵リュー・アーチャー。ロス・マクドナルド著『ギャルトン事件』( […]

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俺だ

『コンビニ人間』(村田沙耶香著)  村田沙耶香さん著『コンビニ人間』(文藝春秋、2016年7月)の主人公の古倉さんは俺だ、と思った。死んでいる野鳥を焼き鳥にして食べようとは思わない。スコップで頭を殴ってけんかの仲裁をした […]

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光食主義者?

『菜食主義者』(ハン・ガン著)  2024年ノーベル文学賞作家、韓国のハン・ガンさんの『菜食主義者』(2011年4月、クオン)を読んだ。ごく平凡な女性ヨンヘが奇妙な夢を見てから、肉を食べられなくなり病的にやせ細っていく。 […]

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戦後80年は終わらない

『ミス・サンシャイン』(吉田修一著)  吉田修一さんの『国宝』を読んだ流れで、たまたま手に取ったのが同じ著者のこの本『ミス・サンシャイン』(文藝春秋、2022年1月)だった。以前にも書いたが、芥川賞受賞作に馴染めず、半ば […]