本のこと

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不自由を描く

『BUTTER』(柚木麻子著)  英国で賞をとったことで再評価された1冊だ。柚木麻子さん著『BUTTER』(2017年4月、新潮社)である。交際男性3人から財産を奪い殺害した疑いで逮捕、起訴された女性を取材する週刊誌の女 […]

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フィクションの可能性

『藍を継ぐ海』(伊与原新著)  盛夏のこの時期になると、取り出す本がある。広島原爆を記録した原民喜著『夏の花』、大江健三郎著『ヒロシマノート』。日航機墜落事故をモチーフにした横山秀夫著『クライマーズハイ』。終戦の日を再現 […]

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鑑賞は文藝

『パパイアから人生』(夏井いつき著)  簡単そうで難しい。俳句のことだ。例えば季語にもなっている「すみれ」。漢字だと「菫」。読めない。旧仮名遣いで五七五の定型が崩れると、どこで切っていいか分からない句が散見される。ここで […]

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いつまでアップデート?

『老いてもヒグチ 転ばぬ先の幸せのヒント』(樋口恵子著)  評論家の樋口恵子さんが老いを語るエッセイ集の最新刊『老いてもヒグチ 転ばぬ先の幸せのヒント』(24年12月、清流出版)を読んだ。さまざまな出版社から出ているこれ […]

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野心作、再び

『生殖記』(朝井リョウ著)  好きな作家かと問われれば、そうでもない。でも、ついつい読んでしまう。前著『正欲』から続く実験的な野心作だった。朝井リョウさん著『生殖記』(小学館、24年10月)だ。前著からのテーマである多様 […]

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大文豪のメンタル回復法

『庭仕事の愉しみ』(ヘルマン・ヘッセ著)  ヘルマン・ヘッセ著『庭仕事の愉しみ』(1996年6月、草思社)を読んだ。子どもの頃『車輪の下』は読んだのだが、内容はほとんど覚えていない。今頃になって手に取ったのは、ヘッセがメ […]

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余話、バランスの難しさ

『ハヤブサ消防団』(池井戸潤著)  池井戸潤さん著『ハヤブサ消防団』(2022年9月、集英社)を開くと、本のそで、登場人物を紹介する欄に怪しげな新興宗教の名前が出てくる。紹介文の「やがてのどかな集落でひそかに進行していた […]

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ミステリーツアー

『さむけ』(ロス・マクドナルド著)  このところ、『ぼくのミステリ・マップ』で田村隆一さんが勧める海外作品をずっと読んできた。世界最初のミステリーとされる『モルグ街の殺人』からハードボイルドまで。ミステリーツアーだ。再読 […]

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追悼フォーサイス

 9日に亡くなったという訃報に接し、自宅と職場近くの大型書店に行ってみた。追悼企画で著書が平積みになっているかと思った。そんなことは全くなかった。在庫も自宅近くの書店に1冊あるだけ。新聞各紙が代表作と取り上げる『ジャッカ […]

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強迫観念を捨てる

『定年後のリアル』(勢古浩爾著)  文庫本裏表紙の内容説明には「(定年後を)のほほんと生きていくための一冊」とある。待ってましたと飛びついた。勢古浩爾さん著『定年後のリアル』(草思社文庫、13年8月)だ。メディアは「人生 […]