『楢山節考』(深沢七郎著、新潮文庫、1956年作)『PLAN75』(早川千絵監督・脚本、2012年) ドラえもんに、読む度に結末が変わる本を出してもらいたい。この本がそうだ。深沢七郎著『楢山節考』。お年寄りの知恵に感心 […]
本のこと
事実が想像力を超える
『虫と草木のネットワーク』高林純示著 取材をする際、こんな記事を書こうとアウトラインを決めてインタビューの質問事項を考える。だが、取材中に思いもよらない展開になり、記事自体が当初予定と全く変わってしまうことがある。記者 […]
続・耐える力
『生きる力』帚木蓬生著 容易に答えの出ない事態に耐えうる能力、ネガティブ・ケイパビリティについて、前回(「耐える力」10月9日記事)書いた。では、どうすればその力は、身につくのか。出版年はこちらの方が4年ほど早いのだが […]
耐える力
『ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力』帚木蓬生著 「登場人物が勝手に動き出すまで待ちます」 創作方法について、多くの作家がこう語っている。ずっと本当だろうか、多重人格ですかなどと思ってきた。村上春 […]
女性解放
『60代ひとり暮らし 軽やかな毎日』ショコラ著 『60代ひとり暮らし 軽やかな毎日』(ショコラ著、宝島社、2022年)を読んだ。「人気シニアブロガー、ショコラさんの日常を拝見」と、60代女性のひとり暮らしの日々を紹介し […]
においを見聞きする
『香君』(上・下)上橋菜穂子著 待ってました!上橋菜穂子さんの7年ぶりの新作である。どの本も「次はどうなる、次は…」と夢中でストーリーを追っているうちにあっという間にラスト一歩手前。そして、お話が終わるのが残念で仕方な […]
勉強する意味
『金の角持つ子どもたち』藤岡陽子著 「サッカーをやめて、塾に通いたい」。小学6年生への進級を前に、俊介は突然、両親に打ち明ける。最難関の国立中学を受験したいのだ、と。『金の角持つ子どもたち』(藤岡陽子著、集英社文庫、2 […]
やはり手練れ
『定年ゴジラ』重松清著 重松清さんの小説が大好きで、ずっと読み続けている。古今東西もっとも好きな作家の1人なのだが、1冊だけ「自分には関係ない」と手に取らなかった本がある。『定年ゴジラ』(2001年、講談社文庫)だ。重 […]
学校の特色
『スギナの島留学日記』渡邊杉菜 『未来を変えた島の学校 隠岐道前発ふるさと再興への挑戦』山中道雄、岩本悠、田中輝美著 ユニークな取り組みをしているいろんな学校を取材してきた。公立学校でここまで特色を出せるのか、と校長先 […]
死のリハーサル
『終わった人』内館牧子著 「定年は死のリハーサルですからね」 かかりつけ医の先生が言った。そこまで大げさでは、と言い返そうとしたところで、虚を突かれた。 「社会との関係がそこで断たれるのですから」 はっとした。初 […]