本のこと

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八月のスタンダードに

『八月の御所グラウンド』(万城目学著)  万城目学さん著『八月の御所グラウンド』(2023年8月、文藝春秋)は、初版発行から1年がたつのに、横浜市立図書館での予約件数は600人を超える人気作品だ。それが、地域の公民館のよ […]

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日本の精神科医療とは

『精神科医の本音』(益田裕介著)  メンタルの不調に見舞われて以降、いろんな精神医学の入門書を読んだ。例外なくそれぞれの疾患の説明に終始し、無料のネット情報と五十歩百歩の本ばかりだった。その点、精神科医の益田裕介さんが記 […]

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ファーストペンギンの地位

『チーム』(堂場瞬一著)  箱根駅伝に出場できなかった大学から寄せ集めた関東学生連合というテーマに加え、前回大会で自分がブレーキになり自校の本戦出場を逃したキャプテン、山登り5区での降雪という設定まで同じだった。前回紹介 […]

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現場がある面白さ

『俺たちの箱根駅伝 上下』(池井戸潤著)  三浦しをんさんの『風が強く吹いている』など箱根駅伝をテーマにした作品は多い。寄せ集めの関東学生連合チームも堂場瞬一さんが書いている(記者は未読)。現実でも青山学院大学の原晋監督 […]

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面倒なファン

『おもいでがまっている』(清志まれ著)  「さくら」でデビューした頃から聞いている、いきものがかりのソングライター水野良樹さんが小説を書いたと知り、手にした。清志まれのペンネームで2作目となる『おもいでがまっている』(2 […]

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季語と絵

『〈あの絵〉のまえで』(原田マハ著)  「取り合わせ」という俳句の作り方がある。「季語」と日常生活で見つけた「タネ」をもとにした12音を組み合わせる方法だ。いつまで経っても初心者の記者もこの方法をよく使う。原田マハさんの […]

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昆虫記が読みたい

『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎著)  緑色の奇態な格好をした人の写真が表紙になっている新書本が、書店で平積みになっていた。今年出版された続編ではなく最初に書かれた本を手に取った。初めて読む著者の本は、1作 […]

学校教育

まずは知ること

『ぼくが選ぶ ぼくのいる場所』(吉富多美著)  虐待など不適切な養育やヤングケアラーといった言葉は、子どもを取り巻く物語の頻出単語となりつつある。現実は、児童相談所への虐待の相談件数が年約22万件、ヤングケアラーは1学級 […]

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良心の循環

『水車小屋のネネ』(津村記久子著)  ネグレクトに近い状況だった理佐(18)と律(8)の姉妹が家を出て、2人だけで生活を始める。現実ならその時点で福祉につながるケースかもしれない。新生活のスタートを切れてたとしてもいつ破 […]

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惹句の功罪

『メルトダウン』(大鹿靖明著)  映画『オッペンハイマー』からの原子力の流れで、広島、長崎とくれば、次は福島である。2011年の東京電力福島第一原発事故とその後の東電処理スキーム、民主党菅政権の退陣までを描いた、大鹿靖明 […]