『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎著) 緑色の奇態な格好をした人の写真が表紙になっている新書本が、書店で平積みになっていた。今年出版された続編ではなく最初に書かれた本を手に取った。初めて読む著者の本は、1作 […]
本のこと
まずは知ること
『ぼくが選ぶ ぼくのいる場所』(吉富多美著) 虐待など不適切な養育やヤングケアラーといった言葉は、子どもを取り巻く物語の頻出単語となりつつある。現実は、児童相談所への虐待の相談件数が年約22万件、ヤングケアラーは1学級 […]
良心の循環
『水車小屋のネネ』(津村記久子著) ネグレクトに近い状況だった理佐(18)と律(8)の姉妹が家を出て、2人だけで生活を始める。現実ならその時点で福祉につながるケースかもしれない。新生活のスタートを切れてたとしてもいつ破 […]
惹句の功罪
『メルトダウン』(大鹿靖明著) 映画『オッペンハイマー』からの原子力の流れで、広島、長崎とくれば、次は福島である。2011年の東京電力福島第一原発事故とその後の東電処理スキーム、民主党菅政権の退陣までを描いた、大鹿靖明 […]
共感できない
『空白の五マイル』(角幡唯介著) 冒険。それは少年の夢である。ごく一部の人を除くほとんどの人にとってそれはあくまで物語の中にある。あこがれのまま終わる。だが、いるのだ。人工衛星やドローンが地球上のすべてを映し出す21世 […]
老いての魅力
『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(樋口恵子著) 樋口恵子さんの『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(2024年1月)を読んだ。少し前に『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』(2023年8月)も。 […]
設定の卓抜さ
『大名倒産』(浅田次郎著) この人の作品の面白さは、卓抜な設定に由来する。企業の計画倒産を幕末に持っていった浅田次郎さんの『大名倒産』(文芸春秋、2019年12月)である。泰平の世で積もりに積もった借金が25万両、年の […]
推しの描き方
『真田の具足師』(武川佑著) 戦国武将と言えば、小さい頃から真田幸村が好きだ。猿飛佐助や霧隠才蔵ら忍者を使うスパイマスターであり、滅びの美学に殉じた知将。「真田」とある本は、つい手に取ってしまう。武川佑さん著『真田の具 […]
常識のアップデート
『星を編む』(凪良ゆう著) 記者の住む横浜市には地区センターという、かつての公民館のような施設があり、小さな図書室を備えている。人気の新刊本がぽろっと書棚においてあったりする。凪良ゆうさんの『星を編む』(2023年11 […]
価値観を問い直す
『やりすぎ教育 商品化する子どもたち』(武田信子著) 取材をしていると、その業界の価値観に慣れ、同化し、どんどん近視眼的になっていく。木を見て森を見ていないことがある。教育も同じだ。それはそれで大切なのだが、視野を広げ […]