日々のこと

お酒の実験

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 去る4月27日、家族で伊東に1泊の温泉旅行をした際、お酒を飲んだ。心身不調のため2022年10月30日を最後に断酒していたので約1年半ぶりである。今年1月にストレス源だった職場から異動し、心身とも大分回復したとはいえ、まだ精神科には通院しているし薬も飲んでいる。ビールが好きなので、何かあった晴れの日に飲む「機会飲酒」というお酒との付き合い方にしたいと思っていた。そのための実験という意味合いが大きい。


 せっかく1年半積み上げてきた記録が途絶えるとともに、飲酒習慣が戻ってしまうのではないかという恐れを抱いていた。味覚が変わっていておいしいと思えないのではないかとも。


 そんな中での最初の1杯。わずかな苦みを舌に残し冷たい麦酒が喉を伝っていく。美味い。急速に酔いが回った。ほろ酔い気分が心地いい。食欲が増す。長女が最後まで相手をしてくれた。子どもたちが小さい頃から伊東に行くたびに通う店だ。店員さんが僕たちのことを覚えていてくれて、長女に「大きくなったね。お酒飲むようになったんだもんね」と驚いて、この時期しか食べられない蕗(ふき)味噌をサービスしてくれた。楽しいひと時だった。


 飲酒の悪影響も明確になった。宿に帰ると眠くて何もできない。温泉につかるのがやっとだった。早々と寝てしまった。アルコールが睡眠の質を悪化させるというのも本当だ。夜中に途中で目が覚めると、そこからしばらく眠れなくなってしまった。

 実験の結果は明らかだ。飲酒はその後の時間を奪うし、身体にも悪い。続けるわけにはいかない。飲む前は「週1回くらいなら」という気持ちもあったが、止めた方さそうだ。週1回飲むと、ずるずると飲酒習慣が戻りそうな気がする。今回のように旅行のときなどに限定するのがいい。

 米国では“sober curious(しらふの生き方への好奇心)”から、若い世代を中心に断酒したりするライフスタイルを模索する人が増えているという。アルコールが自分の生活に付加価値を与えるかを考えるのだそうだ。今回の実験は、飲酒の功罪を再認識し、改めてsober curiousなライフスタイルに向かわせてくれたことに大きな意味があった。28日、断酒を再スタートした。写真:乾杯=長女撮影(2024.04.29 No.122)

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