日々のこと

痛くて、辛くて、苦しい

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 今年も横浜マラソンを走った。結果は5時間03分と目標にしていたサブ5を逃した。去年の4時間56分からも後退した。だから完走した達成感はない。ただただ痛さ、辛さ、苦しさから逃れたい一心で走った。家に帰ると疲れて3時間も眠ってしまった。吐き気がして食欲がない。
 もともと股関節と膝に痛みを抱えての出走だった。25キロ前から違和感を感じ始め早くも失速。30キロ時点では最高気温23℃という暑さも伴って痛みと辛さしか感じない。山下公園前の銀杏並木は実を落としても葉は真っ青。3カ月必要とされるマラソンの練習が、猛暑で難しかったことを思い出させる。「早く終われ」とだけ思いながら走った。
 帰りの電車で一緒になった参加者が話していたのが聞こえた。「今回は消耗した。疲れた」。同じ電車ということは記者と同じようなタイムだろう。タイムが遅ければ遅いほど体へのダメージは大きい。それだけ長い時間体を動かしているからだ。親子で応援に来ていたのだろう。その奥さんが尋ねた。「じゃあ、何で走ってるの?」。記者も問われている気がした。
 答えが見つからない。達成感がなく、ただ辛いだけだった。その後も熱中症らしく吐き気がして発熱もした。言われてみれば全く不合理である。これがハーフマラソンなら快適に気持ちよく走って、満足感も高いと思う。でも、「これまでもフルを走ってきたし今回も」と、つい惰性と意地が働いていしまう。もうすぐ還暦という年齢を考えると、よく頑張ったともいえるが、そろそろハーフに活動の場を移す時期なのかもしれないと本気で考え始めた。ファンラン。人には見合ったステージがある。2カ月ぶりのアルコール、完走祝いに飲んだサントリーのプレミアムモルツだけは格別だった。(2024.10.27 No.146)

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