8日午後7時過ぎ、帰宅途中の電車の中でスマホが鳴った。珍しく長女からの電話だった。「あっ、電車の中だった?ごめん。外見られる?月食、すごいよ」。月食については数日前に新聞記事で読んだが、すっかり忘れていた。たまたま、ドアの近くに乗っていた。川崎から横浜までの区間、見上げると、車窓から輪郭を残し、右上方部分がわずかに明るい皆既食寸前の月が見えた。
家の近くで見上げると、既に月全部が地球の影に入っており、ぼんやりと赤黒い光を放っていた。後で知ったが、皆既食中に月の後ろに天王星が入る天王星食にもなっていた。皆既食と惑星食が同時に見られるのは日本では442年ぶりといい、長女のおかげで極めて珍しい天体ショーを見逃さずに済んだ。「(学校帰りの)電車降りたらすごかったから」(長女)、電話してくれたそうだ。
安否確認を兼ねて、毎朝、一人暮らしの父とメールのやりとりをしている。今日(9日)の返信にはこうあった。「昨夜7時ころ電話あり。〇〇君(長男の名前)『月がキレイダヨ。見てみ』終わり」。満月の引力が家族に働きかけたのだろうか。温かい気持ちにしてくれた月に感謝。写真は長女撮影。(20221109)