2022年7月

本のこと

死のリハーサル

『終わった人』内館牧子著  「定年は死のリハーサルですからね」  かかりつけ医の先生が言った。そこまで大げさでは、と言い返そうとしたところで、虚を突かれた。  「社会との関係がそこで断たれるのですから」  はっとした。初 […]

本のこと

文豪のメンタルケア

『ミチクサ先生・上下』伊集院静著 『決定版 夏目漱石』江藤淳著 『夏目漱石を読む』吉本隆明著   どうも今まで思い描いていた夏目漱石像と違う。伊集院静さんの『ミチクサ先生(上下)』(講談社、2021年)のことだ。神経症と […]

学校教育

カエルの子は…

『国外逃亡塾』白川寧々著  記者の両親が生まれた1930年代半ば、英語は敵国語だった。両親とほぼ30歳差の記者が高校・大学に通った1980年代後半から90年代初め、「これからは英語が必須」と言われつつ、海外留学する生徒は […]

日々のこと

日英ホームレス支援事情

『スープとあめだま』ブレイディみかこ著/中田いくみ絵  横浜市中区にある寿町。日本3大ドヤ(簡易宿泊所)街の1つだ。取材で半年ほど通い詰めた。2022年4月に久しぶりに訪れると、牧師のMさんは「体は動くけど頭が働かなくて […]

学校教育

「きれい」の基準は?

『答えは風のなか』重松清著  ヒロシの学校では入学式に合わせて新入生を歓迎するポスターをつくることになった。キャッチコピー〈大空にはばたく第三小〉に合わせて、〈きれいな空の絵〉を募集して、その中でいちばん人気だった絵をポ […]