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本のこと

読んだそばから忘れる本

『池袋ウエストゲートパークⅩⅩ 男女最終戦争』(石田衣良著)  読んだそばから忘れていく。だからといってもう読むのを止めようとは思わない。読み始めると、途中で止めることができないほど夢中になってしまう。毎年秋に刊行される […]

本のこと

近未来の選択肢

『団地のふたり』(藤野千夜著)  藤野千夜さん著『団地のふたり』(2022年3月発行、U-NEXT)の設定である築60年より、少し後に建てられた団地に実家がある。転勤続きで社宅住まいが長かった両親が定年を機に購入したもの […]

本のこと

ニュースの力

『PERIL危機』(ボブ・ウッドワード著)  いつかはあんな本を書いてみたいと思って記者になった。足元にも及ばず終わりそうである。米ワシントン・ポスト紙ボブ・ウッドワードさんの『PERIL 危機』(日経BP)を読んだ。4 […]

本のこと

昆虫記だけ読みたい

『バッタを倒すぜアフリカで』(前野ウルド浩太郎著)  前野ウルド浩太郎さんの前著『バッタを倒しにアフリカへ』を読んで、本格的な昆虫記を読みたいと続編に期待した。前著は昆虫記だと思って手に取ったら、ポスドクの就職活動がメイ […]

日々のこと

痛くて、辛くて、苦しい

 今年も横浜マラソンを走った。結果は5時間03分と目標にしていたサブ5を逃した。去年の4時間56分からも後退した。だから完走した達成感はない。ただただ痛さ、辛さ、苦しさから逃れたい一心で走った。家に帰ると疲れて3時間も眠 […]

本のこと

魅力は行動力

『成瀬は信じた道をいく』(宮島未奈著)  2024年本屋大賞受賞作、宮島未奈さん著『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社、2023年3月)と続編『成瀬は信じた道をいく』(同、24年1月)を読んだ。滋賀県大津市への地元愛に富み […]

本のこと

鏡を見る

『傲慢と善良』(辻村深月)  婚約者が忽然と姿を消した。宮部みゆきさんの『火車』のようなミステリーかと思った。装丁もミステリーを思わせる。辻村深月さん著『傲慢と善良』(2019年3月、朝日新聞出版)だ。実際、全体の3分の […]

本のこと

ダルの変化球のように

『転がる珠玉のように』(ブレイディみかこ著)  緻密に計算された配球でテンポよくストライクカウントをとる。決め球は、打者の手元でくいっと軌道を変える7色の変化球だ。鋭く曲がり、落ち、浮き上がる。米大リーグ、パドレスのダル […]

本のこと

次回作を待って

佐々涼子さん死去  敬愛するノンフィクション作家、佐々涼子さんの訃報を3日、朝刊社会面の小さな記事で知った。56歳と記者よりも若い。悪性の脳腫瘍で闘病中だったことは知っていた。長くは生きられないことも。だが、奇跡を信じ、 […]

本のこと

芥川×シェークスピア×ミレー×…

『黒い絵』(原田マハ著)  芥川龍之介の『地獄変』を下敷きにした。ミレーの絵の中で生きる、シェークスピアの戯曲『ハムレット』の登場人物オフィーリアが語り手になる。そんな物語をアート小説の名手、原田マハさんが創作した。面白 […]