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本のこと

昆虫記が読みたい

『バッタを倒しにアフリカへ』(前野ウルド浩太郎著)  緑色の奇態な格好をした人の写真が表紙になっている新書本が、書店で平積みになっていた。今年出版された続編ではなく最初に書かれた本を手に取った。初めて読む著者の本は、1作 […]

学校教育

まずは知ること

『ぼくが選ぶ ぼくのいる場所』(吉富多美著)  虐待など不適切な養育やヤングケアラーといった言葉は、子どもを取り巻く物語の頻出単語となりつつある。現実は、児童相談所への虐待の相談件数が年約22万件、ヤングケアラーは1学級 […]

本のこと

良心の循環

『水車小屋のネネ』(津村記久子著)  ネグレクトに近い状況だった理佐(18)と律(8)の姉妹が家を出て、2人だけで生活を始める。現実ならその時点で福祉につながるケースかもしれない。新生活のスタートを切れてたとしてもいつ破 […]

学校教育

居場所

映画『あんのこと』(入江悠監督)  1本の新聞記事が発端だったという。短い記事がどんな映像になるのか見たかった。貧困、虐待、薬物中毒、売春…。負のループから抜け出せそうになった矢先、コロナ禍で力が尽きた若い女性。それが映 […]

本のこと

惹句の功罪

『メルトダウン』(大鹿靖明著)  映画『オッペンハイマー』からの原子力の流れで、広島、長崎とくれば、次は福島である。2011年の東京電力福島第一原発事故とその後の東電処理スキーム、民主党菅政権の退陣までを描いた、大鹿靖明 […]

本のこと

共感できない

『空白の五マイル』(角幡唯介著)  冒険。それは少年の夢である。ごく一部の人を除くほとんどの人にとってそれはあくまで物語の中にある。あこがれのまま終わる。だが、いるのだ。人工衛星やドローンが地球上のすべてを映し出す21世 […]

日々のこと

戦勝国の視点

映画『オッペンハイマー』(監督=クリストファー・ノーラン)  ゴールデンウイーク最終日、映画『オッペンハイマー』を観た。原爆の父の伝記映画。3時間の大作だ。視点は目まぐるしく変わり、展開の早いストーリーについていくのが大 […]

本のこと

老いての魅力

『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(樋口恵子著)  樋口恵子さんの『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(2024年1月)を読んだ。少し前に『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』(2023年8月)も。 […]

日々のこと

お酒の実験

 去る4月27日、家族で伊東に1泊の温泉旅行をした際、お酒を飲んだ。心身不調のため2022年10月30日を最後に断酒していたので約1年半ぶりである。今年1月にストレス源だった職場から異動し、心身とも大分回復したとはいえ、 […]

本のこと

設定の卓抜さ

『大名倒産』(浅田次郎著)  この人の作品の面白さは、卓抜な設定に由来する。企業の計画倒産を幕末に持っていった浅田次郎さんの『大名倒産』(文芸春秋、2019年12月)である。泰平の世で積もりに積もった借金が25万両、年の […]