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本のこと

次回作を待って

佐々涼子さん死去  敬愛するノンフィクション作家、佐々涼子さんの訃報を3日、朝刊社会面の小さな記事で知った。56歳と記者よりも若い。悪性の脳腫瘍で闘病中だったことは知っていた。長くは生きられないことも。だが、奇跡を信じ、 […]

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芥川×シェークスピア×ミレー×…

『黒い絵』(原田マハ著)  芥川龍之介の『地獄変』を下敷きにした。ミレーの絵の中で生きる、シェークスピアの戯曲『ハムレット』の登場人物オフィーリアが語り手になる。そんな物語をアート小説の名手、原田マハさんが創作した。面白 […]

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墨の香

『板上に咲く』(原田マハ著)  読んでいると、墨の香が漂ってくるようだった。原田マハさん著『板上に咲く』(2024年3月、幻冬舎)だ。ゴッホにあこがれ、世界のMUNAKATAになった棟方志功の半生を妻チヤの視線で描いたア […]

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今だからこそ

『この夏の星を見る』(辻村深月著)  フィクションではあるが、コロナ禍当時の学校の空気を閉じ込めた時代の記録だ。辻村深月さん著『この夏の星を見る』(2023年6月、KADOKAWA)である。休校、緊急事態宣言…、日常が制 […]

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広がる読書

『スピノザの診察室』(夏川草介著)  夏川草介さん著『スピノザの診察室』(2023年10月、文藝春秋)。タイトルに惹かれて手にした。「スピノザ」。関心はありつつも敬して遠ざけてきた。それが読みやすそうな医療小説のタイトル […]

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読書の正しい楽しみ方

『カラフル』(森絵都著)  ヤングアダルト向けのロングセラーということしか知らないまま、森絵都さん著『カラフル』(1998年7月、理論社)を初めて読んだ。タイトルから、いじめをモチーフに多様性の大切さを訴える物語かと思っ […]

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八月のスタンダードに

『八月の御所グラウンド』(万城目学著)  万城目学さん著『八月の御所グラウンド』(2023年8月、文藝春秋)は、初版発行から1年がたつのに、横浜市立図書館での予約件数は600人を超える人気作品だ。それが、地域の公民館のよ […]

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日本の精神科医療とは

『精神科医の本音』(益田裕介著)  メンタルの不調に見舞われて以降、いろんな精神医学の入門書を読んだ。例外なくそれぞれの疾患の説明に終始し、無料のネット情報と五十歩百歩の本ばかりだった。その点、精神科医の益田裕介さんが記 […]

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ファーストペンギンの地位

『チーム』(堂場瞬一著)  箱根駅伝に出場できなかった大学から寄せ集めた関東学生連合というテーマに加え、前回大会で自分がブレーキになり自校の本戦出場を逃したキャプテン、山登り5区での降雪という設定まで同じだった。前回紹介 […]

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現場がある面白さ

『俺たちの箱根駅伝 上下』(池井戸潤著)  三浦しをんさんの『風が強く吹いている』など箱根駅伝をテーマにした作品は多い。寄せ集めの関東学生連合チームも堂場瞬一さんが書いている(記者は未読)。現実でも青山学院大学の原晋監督 […]