『原民喜 死と愛と孤独の肖像』(梯久美子著) 前回紹介した『狂う人「死の棘」の妻・島尾ミホ』に続き、梯久美子さんの『原民喜 死と愛と孤独の肖像』(岩波新書、2018年7月)を読んだ。島尾敏雄と原民喜。ほぼ同じ時代を生き […]
本のこと
問いを立てる
『狂う人「死の棘」の妻・島尾ミホ』(梯久美子著) 夫の情事が記された日記を見て狂乱する妻。その修羅を描いた島尾敏雄著『死の棘』。膨大な未公開資料を読み解き、直接・間接の取材を重ねた結晶が、梯久美子さん著『狂う人「死の棘 […]
テツの眼力
『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』(梯久美子著) 本を1冊読むと、その中に出てくる本や参考文献を芋づる式に読みたくなる。人に紹介されることもある。すると、なかなか新しい分野の本を手に取れなくなる。 ずっと読み […]
ギフテッドを育てる
『学校の枠をはずした 東京大学「異才発掘プロジェクト」の実験、凸凹な子どもたちへの50のミッション』(東京大学先端科学技術研究センター 中邑研究室編、どく社、2021年) 記者も参加してみたい、というのが率直な感想だ。 […]
20世紀のメタバース
『パプリカ』筒井康隆著 筒井康隆著『パプリカ』(新潮文庫、1993年)を読んだ。長男が「アニメ(2006年)は面白かったよ」と教えてくれた。映像化された作品を見る前に必ず原作を読むようにしている。 中学生の頃、星新一 […]
ジョギングの楽しみ
『空の名前』高橋健司著 先週末の横浜マラソン以来、1週間ぶりのジョギング。レースまでは完走するための体づくりが最大の課題だが、レースが終わった今は解放感いっぱいのファンラン。 ジョギングの際の楽しみの一つが空を見上げ […]
虫捕る学校
『虫捕る子だけが生き残る 「脳化社会」の子どもたちに未来はあるか』(養老孟司、池田清彦、奥本大三郎著) 解剖学者の養老孟司さん、生物学者の池田清彦さん、仏文学者の奥本大三郎さんという虫好きの大家による鼎談『虫捕る子だけ […]
ノンフィクションの力
『戦争は女の顔をしていない』アレクシエーヴィチ・スヴェトラーナ著『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬著 これまでの自分の読書体験では、石牟礼道子著『苦海浄土―わが水俣病』(講談社文庫)に近いだろうか。感性豊かな詩人であり、 […]
子供時代を奪うな
『両手にトカレフ』(ブレイディみかこ著)『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』(吉田秋生作) 著者のブレイディみかこさんが「ノンフィクションの形では書けなかった」という英国貧困家庭の女子中学生ミアの物語。『両手にトカレフ […]
高齢化問題
『楢山節考』(深沢七郎著、新潮文庫、1956年作)『PLAN75』(早川千絵監督・脚本、2012年) ドラえもんに、読む度に結末が変わる本を出してもらいたい。この本がそうだ。深沢七郎著『楢山節考』。お年寄りの知恵に感心 […]