本のこと

本のこと

老いての魅力

『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(樋口恵子著)  樋口恵子さんの『老いの上機嫌 90代!笑う門には福来る』(2024年1月)を読んだ。少し前に『老いの地平線 91歳自信をもってボケてます』(2023年8月)も。 […]

本のこと

設定の卓抜さ

『大名倒産』(浅田次郎著)  この人の作品の面白さは、卓抜な設定に由来する。企業の計画倒産を幕末に持っていった浅田次郎さんの『大名倒産』(文芸春秋、2019年12月)である。泰平の世で積もりに積もった借金が25万両、年の […]

本のこと

推しの描き方

『真田の具足師』(武川佑著)  戦国武将と言えば、小さい頃から真田幸村が好きだ。猿飛佐助や霧隠才蔵ら忍者を使うスパイマスターであり、滅びの美学に殉じた知将。「真田」とある本は、つい手に取ってしまう。武川佑さん著『真田の具 […]

学校教育

常識のアップデート

『星を編む』(凪良ゆう著)  記者の住む横浜市には地区センターという、かつての公民館のような施設があり、小さな図書室を備えている。人気の新刊本がぽろっと書棚においてあったりする。凪良ゆうさんの『星を編む』(2023年11 […]

学校教育

価値観を問い直す

『やりすぎ教育 商品化する子どもたち』(武田信子著)  取材をしていると、その業界の価値観に慣れ、同化し、どんどん近視眼的になっていく。木を見て森を見ていないことがある。教育も同じだ。それはそれで大切なのだが、視野を広げ […]

本のこと

希望の物語

『続窓ぎわのトットちゃん』(黒柳徹子著)  40年以上前に『窓ぎわのトットちゃん』を読んだときは、トモエ学園の個性を重視する自由な教育内容が印象に残った。公開中の同名アニメ映画を観に行った。  書籍は、いわさきちひろさん […]

本のこと

異空間生む化学反応

『その世とこの世』(谷川俊太郎・ブレイディみかこ著)  詩人が「この世とあの世のあわいに/その世はある」と描けば、「地べたのライター」が「脳をアップロードしてデータとして生きるトランスヒューマン」というもう一つの「その世 […]

学校教育

教育という呪縛

『母という呪縛 娘という牢獄』(齊藤彩著)  子として、または親として、多くの人が聞き、口にしてきた。子を思い、良かれと思って。「勉強しなさい」。それが行き過ぎると、「教育虐待」になる。虐待かどうかの線引きは無い。齊藤彩 […]

本のこと

「体験てぇもんが生きてくる」

『今日も寄席に行きたくなって』(南沢奈央著)  女優で南亭市にゃおの高座名を持つ南沢奈央さんの『今日も寄席に行きたくなって』(2023年10月、新潮社)を読んだ。いつまでも落語初心者のままの記者にとって、落語の魅力を再確 […]

本のこと

「チェンジ」の爽快

『わたしに会いたい』(西加奈子著)  今年最初の1冊は、主に女性の身体や性にまつわる短編集『わたしに会いたい』(2023年11月、集英社)。コロナ渦にあって著者である西加奈子さん自身の乳がん発覚と治療を綴ったノンフィクシ […]