『部長の大晩年』(城山三郎著) 「毎日が日曜日」。本のタイトルが流行語にもなった城山三郎さんによる俳人、永田耕衣さん(1900~1997年)の評伝『部長の大晩年』(新潮文庫、2004年8月)を読んだ。永田さんのことは本 […]
musibosi
校庭先生
3月末、新年度前の春休み。久しぶりに旧知の小学校長先生を訪ねた。先生はいつものように、つばの広い帽子をかぶり、黄色い菜の花が盛りの花壇を世話していた。知らない人には用務員さんにしか見えない。 校長先生とは前任校で知り […]
意外さとギャップ
『虐殺器官』(伊藤計劃著、早川書房、2007年6月) 黒地に白と銀の角ばった文字が並ぶ表紙。タイトルは「虐殺器官」。これだけでは、何の本か全く想像がつかない。裏表紙のあらすじを読んで、近未来の軍事・インテリジェンスもの […]
答えじゃなくて…
『スター』(朝井リョウ著) 若い作者なのに、随分説教臭いな。朝井リョウさんの『スター』(朝日新聞出版、2020年10月)の感想だ。『正欲』で追求した多様性の在り方、承認欲求をより身近な題材を用いて描いている。 新人の […]
同時代作家
『われらの時代』(大江健三郎著) 「快楽の動作をつづけながら形而上学について考えること、精神の機能に熱中すること、それは決して下等なたのしみではないだろう。(中略)南靖男は、かれの若わかしい筋肉となめらかな皮膚のすべて […]
「復興」の現実
『荒れ地の家族』(佐藤厚志著) 東日本大震災から間もなく12年。3月11日を前に佐藤厚志さんの第168回芥川賞受賞作『荒れ地の家族』(新潮社、2023年1月)を読んだ。震災の人的被害は、同年3月1日時点で死者1万590 […]
作家のブラックボックス
『明日は、いずこの空の下』(上橋菜穂子著) 本はほとんど図書館で借りている。常に上限いっぱいに予約を入れている。人気があったり所蔵数が少なかったりする本ばかり予約していると、なかなか順番が回ってこない。手元に読む本がな […]
想像のための補助線
『宣告』(加賀乙彦著) 訃報に接し、初めて手に取った。加賀乙彦さん著『宣告』(上中下巻、1979年、新潮文庫)。交流があった実在の死刑囚をモデルに拘置所医官を務めた精神科医・小説家が書いた長編小説だ。テーマの重さとリア […]
不登校の価値
「日本の教育は素晴らしいと思う。でも、僕には合わなかった」―。神奈川県鎌倉市が行っている不登校児童・生徒支援策「ウルトラ・プログラム」の2022年度の取り組みを振り返る「インパクトデイ」がこのほど市内で開かれ、かつて不 […]
唯一無二
2月1日の朝日新聞朝刊に眼を射た記事があった。続けて2回読んだ。尊敬する同世代のノンフィクション作家、佐々涼子さん(54)が悪性脳腫瘍と診断され、闘病しているという。佐々さんのツイッターで確認した。最新刊『ボーダー 移 […]